空き家と住教育

 

なぜ、空き家対策に「住教育」が必要なのか?

「衣食住」という言葉があるように、住まいは私たちが生きていく上で欠かせないものです。しかし、私たちは「衣服の選び方」や「食の安全」について学ぶ機会はあっても、「正しい住まいの扱い方や選択」について学ぶ機会をほとんど持たないまま大人になります。

空き家問題の多くは、建物が傷んだり相続が発生したりした後、「何から手を付ければよいか分からない」という状況になって初めて表面化します。

空き家をこれ以上増やさない、つまり「空き家の発生抑制」において最も根本的かつ効果的なアプローチこそが、住まいに関する知識と判断力を養う「住教育(じゅうきょういく)」なのです。

 

住教育に関するイメージ画像

 

住教育がもたらす「空き家発生抑制」の3つのアプローチ

 

01

「実家じまい」や相続を人生の節目で考える

空き家が発生する最大のきっかけは「相続」です。しかし、家が空き家になってから親族間で話し合うのは非常にハードルが高くなります。仕事や家族構成が変わる「60歳前後」などの人生の節目に、ライフプラン(人生設計)と合わせて「これからの住まいをどうするか」を学ぶ機会を持つことで、将来空き家を発生させないための事前の備え(家族間での意思共有や整理)が可能になります。

 

02

住宅ストック(既存住宅)を有効活用する意識を育てる

これまでの「新築至上主義」から、今ある住宅資源を大切に引き継ぐ「住宅ストック活用型」への転換が必要です。住教育を通じて、中古住宅や古民家の持つ価値、リフォーム・リノベーションの可能性を学ぶことで、「古い家を壊す、放置する」のではなく「価値ある資産として活かし、次世代に繋ぐ」という選択肢が当たり前の社会を作ります。

 

03

「家を育てる」というメンテナンス意識の向上

家は建てて終わりではなく、その後の適切な維持・管理が大切です。住教育では、住まいの耐震性や防犯性に加え、周辺環境の変化に応じた適切なメンテナンス(維持管理)の重要性についても学びます。住まいを正しく育てることで建物の寿命を延ばし、将来的に「市場で流通可能な質の高い住宅」として維持することができます。その結果、放置空き家の発生を防ぐことにもつながります。

 

古民家のリノベーションDIYワークショップ

 

当協議会と住教育の取り組み

一般社団法人全国空き家アドバイザー協議会では、地域の皆さまが「自分らしい住まい方」を選択できる力を養うための場づくりを応援しています。

自治体や専門家と連携した「住育学校」の開催や、人生設計とともに住まいを見直す「住教育カードゲーム」の体験などを通じて、豊かで安心して暮らせるまちづくりと、持続可能な空き家ゼロの社会を目指して活動しています。

 

改装されたおしゃれな古民家カフェ

 

住まいを学ぶ最初の一歩におすすめの書籍

未来へ住まいを繋ぐためのヒントが詰まった一冊です。

暮らしを育てる 家族と未来につなぐ住教育 書籍表紙

『暮らしを育てる 家族と未来につなぐ住教育』

著者:コミンカニスト 川上幸生
定価:1,650円(税込)
発行:一般社団法人住まい教育推進協会

【 本書で学べる主なテーマ 】

  • 空き家にならない家: 空き家問題の現状、相続と実家じまい、空き家活用
  • 住まいは家族の器: 安全な住まい、耐震性・防犯性、快適な家事動線
  • 古民家が教えてくれること: 木の魅力と循環型建築、日本の伝統文化・古材の価値
  • 住みやすい家へのヒント: 子どもを育む住まい、家族のコミュニケーション、地域とのつながり

 

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